過酷な環境下でも優れた耐久性を発揮するオゾン発生装置の研究をしています。入社してすぐに担当した新製品開発プロジェクトの中で、オゾン発生装置をいかにサビにくくするかを研究してきました。製品完成後もその研究を続け、さらに高い効果が期待できる素材や加工法を探し、検討・評価しているところです。
入社してすぐ担当したのは、新製品となるガス循環型のオゾン水生成機の開発。湿気を含んだガスを循環させるため、機械の核であるオゾン発生装置の性能が大きく低下してしまう。そこをどう解決するかが最大の課題でした。
湿気を含んだガスでも長時間性能を維持することが目標。ガスが通るチューブの素材を変えたり、オゾン発生装置の材質を変えたり、加工方法を変えたりと、ひたすら実験を繰り返日々。最悪だったのは条件設定の確認が不十分だったため実験をやり直した時です。振り出しに戻り、大幅に開発時間をロスしてしまいました。他にも沢山のことにつまずきながら、目標をクリアできたのはプロジェクト開始から10ヵ月後。その後も何度も試作機を作りなんとか完成にこぎつけました。一つの新製品を作るためには、化学、工学、物理、電機などあらゆる知識が必要になる。自社一貫生産の大変さを身をもって体験したことは、非常に大きな収穫でした。
先輩の指示の下で作業していましたが、2年目には自分の研究テーマをもち、自ら考え、答えを導き出すようになります。
しかし知識と経験が乏しい中では、何度も何度も回り道をしてしまいます。そんな時、心強いのは素晴らしいオブザーバーの存在。オゾン研究の第一人者である佐賀大学名誉教授、あらゆる工業製品に精通した岡山工業技術センターの皆さん。知識・経験ともに豊富な方々が技術顧問としてサポートしてくれるのは心強く、またその博識さに大きな刺激を受けています。
月2回の技術会議にも参加して頂き、研究課題などを話し合い、幅広いアドバイスを受けられる。一企業というよりもまるで大学の研究室のような、非常に恵まれた開発環境だと感じています。
1本のネジにも使用する背景があります。今は当たり前のように「ここにはこのネジを使う」と言えるのも、先人たちが沢山の種類を何度も試し、最適なものを選定してきた結果です。
先輩たちが未知の領域であったオゾンを研究し、どんな小さなことにもノウハウを蓄積してこられた。その歴史があるからこそ、今、次の技術へ進むことができます。
これまでは先輩たちに助けてもらってばかりでしたが、これからは少しでも人を助けられるようになりたい。
そのためにもまずは「防サビのことなら、野山に聞け」と言われるくらい、今の研究テーマを追求したいと思います。
幅広く製造業務を担当しています。特に今注力しているのが「マメ絞りプロジェクト」(会社全体で取り組む改善活動の名称)。製造部が中心となり各部署と連携しながら、工数の短縮やリードタイム縮小など、効率的な製造方法についてアイデアを出し合い、実践しています。
もともと機械が好きだったので、「オゾン発生器」とはどんな仕組みでできているのか。興味深々でした。
まずは一から組み立てることからスタートし、その構造を理解していきましたが、修理となると話は別です。
「一体どこに不具合があるのか、何が原因なのか」を突き止めることに時間がかかってしまう。新品と故障品とを並べ、両方を分解しながら一つひとつ可能性を探していく作業。非常に時間がかかりましたが、その経験があるからこそ、深く製品を理解ができたと思います。
経験を積むごとに、「この不具合はこの箇所に問題がある」ということを推察できるようになり、そうなれば非常に効率よく修理できる。経験とカンが非常に重要な仕事なんです。
修理部から製造部へ移ったのは入社して2年後。それからずつと製造一筋です。
2013年にマメ絞りプロジェクトが始動してからは、モノづくりの楽しさに加えて、工夫する楽しさを実感しています。
マメ絞りプロジェクトとは改善活動のネーミングを社内で募り70以上出た案の中から決定した名称。「マメに知恵を絞る」が由来です。このプロジェクトから生まれた知恵の一つが、社内で「ソチ方式」と呼ぶ作業台。発案したのがソチ冬期五輪開催時で、ジャンプ台に似ていることからそう呼ばれています。コックピットのように作業者の手元に必要なものがすべて揃い、部品をとる動作を究極に効率化した作業台のこと。ホームセンターで材料を買ってきてすべて手作りしました。実際にこの方法を取り入れたことで作業効率が格段にアップしています。
現在進めている改善活動を日常化し、「どうしたらもつと良くなるか」を全員が当たり前に考える職場にしたいと思います。
効率よく製造するためには、時には開発担当者に設計を変更してもらうこともある。作業担当のパートさんたちには、作業手順を一から覚え直してもらうこともある。多くの人の理解と協力なしには実現できません。ユニークなネーミングをつけて全社が楽しみながら取り組めるのは、オーニットの素晴らしい風土の一つだと思っています。
TV番組「ほこ×たて」に最強の脱臭機として紹介されるなど、日本はもとより世界に誇れるオゾンメーカーです。どこにも負けない製品をつくる。そういう意気込みを全員が共有し、より良い製品づくりを実現したいですね。
電話応対や受注・在庫管理、経理補助、営業補助など幅広い業務を担当しています。お客様からの電話を受けるポジションですから、私の対応がオーニットの第一印象を決定するといっても過言ではありません。目立たないけれど、実は非常に重要な責任を負っている。そのことを意識しながら、取り組んでいます。
最初の仕事は電話をとること。単純な業務ですが、お取引先のこと、営業マンの動き、製品の動向など、毎日電話を受けることで見えてくるものがありました。
半年ほどしてから、受注管理を担当することになり、そこから電話業務で見えていた点と点がつながっていきました。
例えば、受注管理をすることで営業マンに納期予定を伝えます。すると、自然と在庫を把握できるようになる。在庫がわかれば製品が理解できるようになる。という具合に、次々に業務のつながりが生まれてきました。
入社2年目に入った頃、無料デモ機の貸し出し業務を担当することになりました。
デモ機のサービスは未だお取引のないお客様へ性能を実感して頂く絶好のチャンス。できるだけ多くの方へスムーズに貸し出しできるよう細かなスケジュール調整が重要。同時に、お客様や代理店の方と直接お話しし調整するのですから、誠実に、正確な対応を意識しなければなりません。神経を使う作業ですが、デモ機をご依頼頂いたお客様が受注につながった時は、担当営業と同じように大きな達成感を感じます。
自分ではゴールできないけれど、ゴールのためのパスは渡せる。裏方の仕事ですが、「絶妙なアシストができた」と感じられた瞬間は何より嬉しいですね。
オーニットでは「学ぶこと」を非常に大切にしています。
資格を取得すると毎月資格手当が付く制度があり、対象資格の種類・数も豊富です。
当初「裏方の私に資格手当は…」と遠慮していたのですが、社長に「ぜひ、何かチャレンジしてみて」と声をかけてもらい、“ビジネスキャリアの「営業」”資格を目標に勉強を始めたところです。
また、私の仕事は、範囲は広いけれど深くはありません。意味を理解しないままこなしている仕事も存在します。その「わからない」部分を理解し、ひとつでも多くの点と点をつなげられるようになりたい。チャレンジすること、向上心をもつこと。その楽しさをもっともっと感じたいと思います。